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真夏の夜の事

真夏の夜の事_b0005413_234187.jpg私が鈴木祥子さんのファンということは、ここで何度も書いていると思います。

カーネーションファンでもある私、そこのつながりから祥子ファンになったと思われる方も多いかもしれませんが、全く違うルートで好きになったんですよ。

1993年ですよ、もう13年前!?
毎週日曜の夜11時からだったけな?1話完結・30分ドラマの「泣きたい夜もある」という枠がありました。
このドラマの決まりとして、1話に登場人物は男女1人づつ、同一アーティストの曲が2曲使われるというものでした。
このごろ、まだ売れる前のSMAPが気になりだしていた私は、まだ「キムタク」と呼ばれる前の木村拓哉出演ということもあって、この枠の中の一話である「僕だけの女神」を見ていたのです。
このドラマの中で使われた同一アーティストの曲が祥子さんの「Little Love」と「夏はどこへ行った」だったのでした。

このドラマの内容もよくて、録画していた私は何度も何度も繰り返して見ているうちに、その2曲が完全に刷り込まれたのですよ。とくに「夏はどこへ行った」が。
その当時付き合っていた彼が音楽好きで、しょっちゅうレコ屋に通っていたので、彼に「夏はどこへ行った」が入っているCDを探してきてほしいとお願いすると、彼は祥子さんのベストアルバム「Harvest」を見つけてくれて、そのうえプレゼントしてくれたのです。

私が聴きたかった2曲はもとより、他の曲もみんな素敵で、たちまち好きになりました。
このときの彼とはのちに終わってしまったけど、今でもずっと大好きな人で、「風に折れない花」「愛はいつも」を聴くと、彼に対しての思いが蘇ってしまうほどです。

それから数年、あまり祥子さんを聴く機会は減ってしまいましたが、たまに「Harvest」をなんとなく聴いたりしていました。

4年前、私が愛するバンド・カーネーションが祥子さんのライブにゲスト出演するということで、初めて祥子さんのライブに行きました。
そこで改めて祥子さんに惚れ直してしまいました。
生で聴く祥子さんの姿も声も美しく、圧倒的なパフォーマンスに釘付けでした。

「Harvest」の頃は【少女のような】祥子さんが、【女の】祥子さんになっていましたね。
それから発売の近い作品から集めて聴きまくっています。
私は【女の】祥子さんの作品にどっぷりハマってしまいました。
どうしてこの人は女の気持ちをここまで歌にできるんだろう?って。
心を揺さぶる「なにか」があるんですよね。

いまでは祥子さんのライブによく行きます。
祥子さんが京都に移住されたこともあって、見に行く機会も増えました。
そんな祥子さんが、今回発表したブックレット「創作ノオト」(中)真夏の夜の事_b0005413_23255266.jpg
このブックレットにはCDが付いていて、いままで未発表だった曲やライブ収録、デモバージョンなど、どれを取ってもすばらしい5曲が収録されています。

その中で、私の心を揺さぶった曲があります。「真夏の夜の事」という曲。
これは、『初恋の嵐』というバンドのカバー。これが素晴らしいのです。
祥子さんのピアノの弾き語りなのですが、詩もメロディーもグッとくるのです。
そういえば、昨年末の祥子さんのライブでも、初恋の嵐の「Untittled」という曲をカバーしていてすごく印象に残った覚えがあります。

そうなると原曲が聴きたくてたまらない。
初恋の嵐というバンド名は聞いたことある、という程度で全然どういったバンドか知らなかったのですが、ギター&ボーカルで作詞作曲も手がけていた西山さんがメジャーデビュー直前に亡くなっていたんですね。
彼が亡くなったあとに残ったメンバーとスタッフが作り上げたアルバム「初恋に捧ぐ」、そして生前インディーズで発売されたマキシシングル「Untittled」の2枚を早速に購入しました。
真夏の夜の事_b0005413_2335927.jpg
これがね、いいんです。すごく、いい。
特にバラードが絶品ですね。ちょっと聴いているだけで泣きそうです。

いまもオフィシャルのHPはずっと開いたままで、バンド活動は停止されていても、彼らがたくさんの人に愛されていたバンドなんだなぁって思いました。
出会ったのが遅かった、一度でいいから生でライブを見たかったなぁ、と思っても時すでに遅し、ですね。
だけど残された音源がある限り、音楽ってずっと生きているものなんだなーって思います。

祥子さんから始まって、初恋の嵐のことまで書いていますが、何が言いたいかというと。
自分の知らなかった音楽に、なにかのキッカケでふいに出会うことがある。
その出会いによって、音楽によって癒され、楽しまされ、救われることだってある。

音楽はいつも私の近くにあって、かけがえのないものなんだな、なんておセンチなことを思ってしまう、真夏の夜の事でした・・・。


    真夏の夜に僕は眠れず 考えている
    君を見つめて 思った事を口に出したい
    訪れる者のいない部屋で
    色んな事おもい浮かべてみたよ
    次第に泣き出してしまうんだ
    
      「真夏の夜の事」/初恋の嵐(詩:西山達郎)
by tsukasa311 | 2006-08-08 23:45 | 音楽生活
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